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【諸星】諸星大二郎原画展 

諸星大二郎原画展

・2013/11/15-20:諸星大二郎 原画展

諸星大二郎原画展

ついに開幕!そして今日が最終日。諸星大二郎原画展には2回、計4時間堪能してきました。

とにかく凄い。感動すらしました。
見どころは沢山あるんですが、個人的には(自分ひとりだけではなく多くの人もそうだろうが)コレ。

DSC_3016.jpg


大き目サイズの生原稿での「失楽園」のララの色気が半端じゃない。

あと白黒原稿の修正が少ない!線が緻密!グラデーションが綺麗!塗りにも工夫がこらされてる!

銀座のスパンアートギャラリーや京都国際漫画ミュージアムでも20点規模の原画展をやっていましたが、今回は200点を超える規模、白黒の生原稿も展示されるという充実っぷり。

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・モロ☆先生自身作成の会場レイアウト図
・サイン色紙
・白黒原稿
・カラーイラスト
・切り絵、消し判、内輪、陋巷に在りのイラスト
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白黒原稿は「生物都市」「貞操号の遭難」「失楽園」「アダムの肋骨」「暗黒神話」「孔子暗黒伝」「漁師とおかみさん」「妖怪ハンター」「西遊妖猿伝」。

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「生物都市」………扉、船長が語るイオの住民との接触 (計6枚)
「貞操号の遭難」…扉、リサと夜咲サボテン、大コマ、マリの「北の谷の洞穴…」(計6枚)
「失楽園」………地獄篇・天堂篇の扉、冒頭のララとダン、老人とダンの旅、レーテの町の門、ダンとリーチャと町の心(計10枚)
「アダムの肋骨」…冒頭、ハーピーに主人公が襲われるシーン~最後(6枚?)
「暗黒神話」…地獄の章、餓鬼を引き連れる武とそれをおう菊池彦一味、見つかる所からスサノオの神像出現、暴悪大笑面の馬頭観音が餓鬼を地獄に落とすシーン、天の章の曼荼羅(6枚)
「孔子暗黒伝」……仏陀入滅、仏陀登場~死亡~カーリー寺院(12枚)
「漁師とおかみさん」…ほぼ全部?
「妖怪ハンター」…ヒトニグサ
「西遊妖猿伝」…第一回、冒頭から悟空が野女が自分の母ではないかと尋ねる所まで。(16枚?)
「うつぼ舟の女」…扉、地蔵いっぱいの絵
「天神さま」
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白黒原稿、とにかく凄かった…。傑作の名シーンが多かった。
生物都市の機械と人が混ざっている絵や幻想的なイオの光景もあったし、失楽園はララの色気がヤバいし(何度でも言うさ)リーチャとの会話シーンの夜景も綺麗だし、アダムの肋骨はタイトルの意味が分かるシーンだし、暗黒神話は地獄のシーンあるし、孔子暗黒伝は仏陀のシーンだし。

これでもし、生原稿のデカいサイズで56億7千万年後の地球の太陽と暗黒星雲を見せつけられてたら卒倒してたよ!w あれはさすがに破壊力がありすぎてね。

しかし修正の跡の少なさには驚かされた。漫画的表現としてトーンの上にホワイトを塗ったりちょっとは修正しても、全体的には少ない。独特の線だし、時には筆で主線を引いてるのに少ないということは頭の中で大体イメージが固まっててそれを表現できちゃうということなのだろうか。凄すぎる。
しかも孔子暗黒伝で仏陀が死ぬシーンがあるんですね。
このシーンがネガの絵なんですが、原稿で最初からネガで描かれてたんですね。ビックリ。
しかもこれも葉っぱの光と影用にホワイトを使ってる以外ほぼ修正なし、
相当のセンスだと思います。
あと失楽園は、老人とダンが旅するシーンの空と雲がいわし雲っぽかったりと印象的だったんですが、原稿ではこのように描かれていたのかー、と。
修正といえば「地獄篇」の扉が最初、「失楽園」の文字にも線を入れていたのを見づらいと判断したのか消した跡がありました。あと菊池彦が仏像に手をかけているのが、元々かけていなかったのを修正して書き直した跡があったり。こういうのも生原稿の魅力ですね。

孔子暗黒伝
暗黒神話


カラーイラストはアダムの肋骨の初期イメージイラスト、失楽園、不安の立像表紙、夢みる機械表紙、サンコミ夢みる機械、地獄の戦士、コンプレックス・シティ、JCとJSA両方で暗黒神話・孔子暗黒伝表紙、海神記、マッドメン、光文社砂の巨人、夢の木の下で表紙、私家版鳥類&魚類図譜表紙、鳥類の口絵・鵬の墜落、方舟が来た日、バイオの黙示録の扉2枚・表紙、闇の鶯表紙、栞と紙魚子(生首事件、夜の魚、百物語、文庫1、2表紙)、Gの日記、スノウホワイト、妖怪ハンター(地/天の巻、天孫降臨黄泉からの声、六福神、魔障ヶ岳、美加と境界の神)、それは時に少女の姿となりて、諸怪志異7枚、西遊妖猿伝13愛、小説絵、屈む怪物、悟空とサル、自選短編集表紙2枚、陋巷に在り6枚、少女としゃれこうべ、縄文少女、リンゴのタルト、竹青、まどろむ家、海の女。

カラーイラストが凄い。孔子暗黒伝の赤気篇、クリアカバーがかけられてたけど保存のためなのかな。カーリー女神神像の赤と紺色のバランスが凄い…!そして暗黒神話の1巻がすげー綺麗でヤバイ。遺跡の壁に竹内老人・弟橘姫・菊池彦・隼人、とメインキャラクターが集合しているのですが、このようなイメージとしての絵を思いつきそしてモノクロでもカラーでも表現しちゃうという。このJC版表紙の3枚、かなり小さかったのには驚きました。
ところでこの3枚、確か画集には収録されていなかった筈。なので原画で見れて満足。

私家版鳥類図譜は、鵬の飛翔や墜落が風を巻き起こし大気を巻き込む様まで描かれているのがいいですね。しかし、この口絵、はるか彼方に薄青くぼんやりと見える鵬の姿でその巨大さを想像させなおかつ更に彼方に見える「塔に飛ぶ鳥」の塔という形を取った世界を描くことで、その鵬の飛翔を許す塔の巨大さを思わせるというのが凄いなぁ。単行本1冊の内容をまるまる凝縮した一枚絵。
同じような点なら、スノウホワイトも内容を知らずに表紙を見て、全部読んでから表紙を見返してみると楽しい絵です。
こっちも収録されてなかった筈。

西遊妖猿伝3
西遊妖猿伝
バイオの黙示録

とにかく線が緻密、特にそれが出ているのが方舟が来た日、ジャンプスーパーエース版暗黒神話&孔子暗黒伝、そして西遊妖猿伝でした。
線も筆で描いてるんですが、原画サイズでもかなり細いんですね、それがかすれたり歪んだりしないでしっかり引かれてる。
その上グラデーションも美しいのです、特に夢の木の下でやバイオの黙示録の赤紫と紺色と黄色とピンクの混ざった空の色が、寂寥感も覚えさせるような色でいいんですよね。

緻密さで最高峰なのは西遊妖猿伝。特に瀑布の絵が、ダイナミックさと緻密さという両立困難なものが同居していいんですよね。飛び散るしぶきの白プーも、絵の順番に注意されてます。
やっぱり地湧夫人の衣装の書き込みが素晴らしい。
海神記の原画はどれもでかい!荒れた灰色の空、荒れた海の表現が凄い。マッドメンは密林の闇の深さと、パプワニューギニアの鮮やかな恰好をしたコドワ・ナミコの対比にはっとさせられますよね。

自選短編集の汝、神になれ鬼になれと彼方よりの絵のサイズが凄くでかい。

切り絵のやついいなぁ。そしてグッズも関連書籍もいっぱい。原画を見たテンションでバカ買いしてしまった。
無支奇や通臂公のトートバッグなんて、街中で持ち歩くのがためらわれるアレだと思いつつ結局両方買っちゃったよ。クリアファイルも好きな絵があっていい。

DSC_3017.jpg

カオカオ様のTシャツもあるよ。

カオカオ様


【諸星】諸星大二郎特選集 「男たちの風景」 

・2013/10/30:諸星大二郎特選集 「男たちの風景」発売

諸星大二郎特選集 男たちの風景 (ビッグコミックススペシャル)諸星大二郎特選集 男たちの風景 (ビッグコミックススペシャル)
(2013/10/30)
諸星 大二郎

商品詳細を見る


特選集、ということで(少なくとも)三か月連続刊行!
収録内容は以下の通りでした。
彼方へ/アダムの肋骨/男たちの風景/貞操号の遭難/商社の赤い花/感情のある風景/生物都市/食事の時間/失楽園/眠る男の夢を見る男は夢の中で生きているのか?

彼方へは4ページの短編、彼方への憧憬とこれまたグレートマザー的な女性という頻出モチーフ。眠る男~は小説+漫画。この短編集とは結構毛色が違いますね。
全体としては、自分の手持ちの単行本ではジャンプスーパーエースの失楽園と夢みる機械を足したかのような話に。勿論内容がかぶるわけですが好きな漫画家なのでいいや。
タイトルからして「男と女と生殖を描くSF」縛りかな、と思ってましたが+異星or未来地球のディストピアになりましたね。
そういうわけで、当初予想に含めていた「真夜中のプシケー」「肉色の誕生」「地獄の戦士」「袋の中」「ティラノサイルス号の生還」は入らず。プシケーと袋の中と肉色の誕生はSFではないけれど。そして男と女というより、女を描いているというべきかもだけど。

全体として、モロ☆作品の中でも特に面白い初期のSF短編揃いで非常に充実した内容になっている感あり。
表紙の女が中東っぽくてやっぱ美しいね。

一番の名作は戦慄のメジャーデビュー作の「生物都市」。 
扉からして、ヨーロッパの時祷書めいて機械と生物の融合を描きながらも黒々とした宇宙船が帰ってくるという扉絵からしてワクワクさせられるのに、あの話ですよ。一体どうやったら、当時の世界で人間含めあらゆる生物と無機物・機械が融合するという話を思いついちゃうんだ。

そういえば人間とネットワークの接続を描くサイバーパンクというSF形態が登場したのは80年代、一方生物都市は1974年。
でも作中で、生物と機械の融合を果たしたイオの住民から感染を受け帰還した宇宙船を皮切りに広がっていく描写は以下の通り。
金属類は勿論、コンクリートも伝っちゃう。
その上なんと、電話線や電線、水道管、ガス線…といった、人間社会を構成するあらゆる人工物のライフラインが全て伝染経路と化して、伝染してしまう。
当時はインターネットもなければネットワークもないしコンピュータも一般にはそこまで普及していない社会なのでレトロな香りがしますが、それでもあの当時でこの発想は凄い。筒井康隆を驚かせたというエピソードすらもある位だし。
かといって、後年出てくるサイバーパンクともやはり雰囲気というかニュアンスが違うんですよね。
ここではもはや老いによる体の痛みもない、機械や無機物を介して自分の体が無限に拡張され全人類の意識が一つに統合される。

「とんでもない!この新しい世界で科学文明は人類と完全に合体する。人類にはじめて争いも支配も労働もない世界が訪れるのが。」

モロ☆漫画は、バイオの黙示録もそうだけど、対になる存在としてでなく究極のディストピアにして究極のユートピアが両立することが多い気がします。

個人的に好きな短編は「貞操号の遭難」なんですが、種としての限界にきた人類に更なる可能性を求めて異星の高等生物との交配による品種改良を目的とした優性人種開発計画/レディ計画が出てきます。それについてケイが「種族的な純血なんて無意味だわ」と言っていて、案外これがモロ☆作品の傾向を端的に表してるんじゃないかなとか思ってます。

変容もまた生物の営みの一部、人間の理性では倫理的に問題があるとみなしたり生理的に忌避してしまったりしても、「別に混ざって変わってしまってもいいのではないか」というようなスタンスも感じてしまいます。

ちなみにこの「貞操号の遭難」、半植物・半人間の美男子関係のエロティズムもさることながら、リサの台詞がいちいち面白くて好きですなw
「(半植物の男の股間を見て)立派な男よ!地球人の男より立派よ!」
「きれい!夜咲サボテンみたいな修正なのかしら…」
→「(夜になり目を覚まし立ち上がる男とその一物を見て)夜咲きサボテンだわ、確かに…(ゴク・・・)」


それにしても、貞操号の女子たちが来る前にはネズミっぽい生物を媒体と称して獣姦してタネつけだの、そのタネを受精させるのにレズプレイ(または触手プレイ)とか、あんま想像したくないですね。

「感情のある風景」は、感情をその人自身の思考から切り離してその人の傍を浮遊し形を変える幾何学的図形として表現するというのがいいです。
収容所で大きな恐怖と悲しみを味わった主人公は、とある星に逃れる。
その星では感情が体の外にあるという。勿論、異邦人である主人公は異端であり、住民にも受け入れられるようにするため、そして主人公の恐怖と悲しみの感情が大きいためにおっさんによって住民と同じように感情を切り離す感情を切り離すことで心は平穏を手に入れると共に、平坦で無感情となった。そしてそれと共に、母の死の悲しみや小さな喜びといった、主人公にとっては小さく悲しくても手放したくないものも自らから切り離されてしまって…
これが非常に秀逸です。

「商社の赤い花」は異星が舞台であるものの、サラリーマンものとこの短編集の中では割と異色。現在の景色の中に回想やイメージを混ぜる、という表現って中々難しいからあまり使う人がいないイメージなんですけど、モロ☆先生はよく使うというか、特にこの短編では多用している気がします。

「失楽園」は、地球上の文明が衰退し大きな都市が消えてゆき、人々の生活レベルすらも原始的に衰退してしまった世界の物語。主人公はスティージェの沼で生活する人類の末裔の一人。
世界の中心に幸福の沼があり、それを囲むように荒地が、そして塩の沼があるという世界観であり、人々は幸福の沼から追放されたという。幸福の沼から来たという男の話、そして少女ララの死をきっかけに主人公が旅立つのである。
そのレーテの町ですら、楽園でなく楽園のなれの果て・おちぶれてしまった形だけの楽園だという。
ララと面影が似た、町の掟をたびたび破る少女リーチャの台詞が印象深い。


「だれも追放なぞされなかったわ!」

罪?罰?そんなものは人間が勝手に作りあげた言葉だわ!」
「要はただそうなったっていうだけなのに…理由なんてないのよ!それはただ失われてしまったのよ!」
 
「人間は楽園を求めはじめた時からそれを失っていたんだ!
いつでも…どこでも…人間は同じなんだ…それだけなんだ…」


ここにきてタイトルの「失楽園」の意味が見えてくる。
アダムとイヴが食べてはいけない知恵の実を勝手に食べてしまったという罪、
そして文明がさかえた事で戦争を起こし環境を破壊する程に人間が驕ったという罪。

しかしそれを罪と見なすことですら人間の感覚にすぎない。
繁栄あれば衰退は必然。
どうあがいても苦しみ続けることが人間の必然であり、そんな自分たちに言い聞かせるように「罪」という概念があるー。のかもしれない。

モロ☆先生の作品にはこのような、「見放された」孤独な人間、を描くものも結構多い気がする。

【諸星】銀座スパンアートギャラリーと京都国際漫画ミュージアム原画展 

・2013/5/14-18:銀座スパンアートギャラリーにて 画集『不熟』発売記念 諸星大二郎 原画展

画集『不熟』発売記念

諸星大二郎イラスト集の発売を記念しての原画展でした。
20点規模で、妖怪ハンター・陋巷に在り・栞と紙魚子・暗黒神話など。

暗黒神話

ここで感動したのは、ジャンプエース版の暗黒神話の表紙でしたね。中心の弥勒が金色の絵の具で塗られ、周囲に主要人物がそれぞれ赤・黄・白で描かれているのですが、主線も筆で描かれてるんですよね。それと人物のグラデーションが絶妙、文様は水気の少ないアクリルで描かれてて。

陋巷に在り


そして陋巷に在りの絵が多かったんですが、こちらは水気少な目にガッと描いている印象。
特にこの絵が、ヒリヒリと灼け付くような熱さがあるのが…!藤田先生も推してらっしゃいましたね。


・2013/7~9:京都国際漫画ミュージアムにて 諸星大二郎原画展:不熟1970-2012

諸星大二郎原画展:不熟1970-2012

私が行けたのは高橋葉介セレクションと藤田和日郎セレクションでした。
可能なら諸星大二郎セレクションも、全部見に行きたかったんですがいかんせん時間と金がなかった…。

・高橋葉介セレクション
諸星大二郎先生の絵について、「目力がある」とおっしゃられていました。特にちくま文庫版表紙のマッドメンのコドワに目力がある、と。そして文庫版妖怪ハンターの「稗田先生のお顔が怖いです」とも…w
あと画集の描きおろしで描かれた、聖書のアダムとイヴが知恵の実を食べてしまうエピソードをコメディ風にした「リンゴのタルト」を、諸星大二郎先生の貴重な裸エプロンであるとw
「Gの日記」から「少女G」については、人形の青い目と赤いバラの色の対比が良いと。Gの日記、モロ☆お得意の、しばらく正体や真相を隠しといてクライマックスで正体をあっと明かし異形の存在を暴れさせたり奇蹟を起こしたりして読者を驚かせるような短編です。
一方で、画集表紙の「海の女」について興味深い解説をなされてました。手前の手をつなぐ二人の男女が完全な創造物で、岩場にいる海の女と管でつながった女たちは海の女と離れては生きていけない不完全な創造物であり、海の女に対して不満を示すかのように睨んでいる…みたいな感じのこと。それに対して海の女本人は、自分の創造物に対してたいして関心がないかのように見える、というのがミソとも。
高橋葉介先生も短編「海」で、海そのものである巨女を出しておられていたなぁ、とか思い出したり。こちらは「母」というよりは、恋愛/性愛、嫉妬深さを持つ「女」としての「海」って感じでした。
生物が海から陸に上がって進化していったようにこの二人のアダムとイヴも創造主の元を離れ自立して活動していくのでしょう。一方、手前にいる布をかぶった魚は逆に人から魚へと戻って海に帰っていくようにも見えたり。これは「魚の夢を見る男」のイメージで読んでしまうからなのかな。
マッドメンについて、牧歌的なジャングルでなく、闇をはらむ密林であるともおっしゃってたかも。

・藤田和日郎セレクション
藤田先生は、熱狂的な高橋葉介&諸星大二郎ファンを公言していらっしゃいましたね。
屈む怪物

藤田先生が推していたのは「屈む怪物」。古い方の「妖怪ハンター」に何の解説もなく唐突に出てくる。
あのうしおととらのとらの造形の元になった絵とのことです。あの強いのに、現代の電化製品に興味津々・はんばっか大好きと愛嬌があってうしおの唯一無二のパートナーであるとらとは似て似つかぬ絵ですが、確かにフォルムは似てます。
画集での諸星先生による解説では、『中国神話の起源』の一文からイメージしたもの、後に顔だけ変えて『影の街』に使用した、とのこと。うしとらのとらは、元々シャガクシャという名のインド人で白面の者を追って放浪し、中国に渡り獣の槍の使い手になりそして字伏と化して日本では長飛丸と呼ばれるようになった…という来歴があるのですね。藤田先生が見た時は何の解説もなかったのだろうけれど、奇遇にも「中国の妖怪」のイメージで一致したのかもしれません。中国にいたころのとらって感じでさ。
そして「影の街」の巨人は新世紀エヴァンゲリオンの初号機にもインスピレーションを与えたことでも有名。となると、ある意味、うしとらのとらとエヴァの初号機は起源を同一にしているともいえるわけで。まったく似つかぬこの二つのキャラクターが同じ起源を有しているかと思うと、面白いものがあります。

それと、ジャンプコミック版の妖怪ハンター表紙の左端にある丸い石のポカーンとしたような顔は、モロ☆先生によってはじめて出会わされた「異界」に完全にノックアウトされてしまった読者としての自分自身だとか、天の巻の口からなんか出てる無数の亡霊っぽいのはモロ☆先生の描く目力がほしいという自分自身だとかおっしゃられていたのが印象に残りました。
あと、マッドメンで魔物・アエンに呪物を投げるイラストについて、「気持ちの悪い距離」とおっしゃっていたり。至近距離からでなくロングで描いてるのがミソみたいな、そんな感じのこと。その異形の怪物の全貌がよくわかる、それに対するキャラクターの反応や周りの状況がわかる。うしとらではふすまの回がそんなイメージなのかな。ふすまのギョロ目でギョッとさせられた後で、飛行機にまとわりつく手足も見えその全貌がわかって「うわあああ気持ち悪いいいい」ってなるのね。

縄文少女

お二方も激推しだったのは「縄文少女」。
高橋葉介先生は「温かい絵」「温度が上がりそう」、藤田先生は「最高傑作」と評してました、実際私もこの絵大好きです。
手や足首の描き方もうまいし、髪に飾ったたんぽぽが素朴だし、今よりもシンプルで平均寿命も短い社会ながらも朗らかな笑顔を浮かべる…というのが良いのです。
確か、電撃ジャパンの表紙に描いた絵で、雑誌の表紙は超久々だったとかな。
もっと諸星大二郎先生の描く雑誌表紙が見たいですね、知らない人が「この漫画気になるぞ」と思うような絵柄だと思うのです。

ちなみに京都国際漫画ミュージアムって、漫画を読むことができるのですが諸星大二郎先生や藤田和日郎先生の漫画・高橋葉介先生の漫画を一所に集めて読めるようにされてました。姉が高橋葉介の漫画をかなりの量もっているのですが学校怪談はないのでそれを読みました。うーん、やっぱ面白い。お金が貯まったら自分で買おう。

【諸星】諸星大二郎画集「不熟」・サイン会 


・2012/10/26:諸星大二郎画集発売

不熟  1970〜2012 諸星大二郎・画集 Morohoshi Daijiro ARTWORK不熟 1970〜2012 諸星大二郎・画集 Morohoshi Daijiro ARTWORK
(2012/10/26)
諸星 大二郎

商品詳細を見る


ついに画集発売!諸星大二郎は一番好きであり、敬愛してやまない漫画家なので感激でした。
表紙が青空というのが新鮮。
いつも郷愁や寂寥、不安を感じさせるような夕焼け(ムンクの「叫び」が近い)が多かったので。
しかし絵のモチーフ的にグレートマザーとその子供たちというのが多いですね。
これについては高橋葉介先生のコメントが面白かったので後述。

描き下ろし3点のうち1つが、「スフィンクスとオイディプス」。
女性の上半身にライオンの下半身のスフィンクスにもたれるようにまどろむショタオイディプスというのが、アングル的なそれよりもモローのそれを連想させます。

中身も「暗黒神話」の緻密なカラーも、「アダムの肋骨」の極彩色で描かれた鮮やかな異星の情景も、「妖怪ハンター」の神がかっているような鬼に出遭ったような神秘的な奇跡の情景も、「海神記」の荒れた空・海、「マッドメン」の有機的な闇を孕んだ密林の中に立つ二人の少年と少女の新たな神話、「バイオの黙示録」「遠い国から」の叙情的な荒野の景色、「諸怪志異」の怪異が潜む闇のと灯りの対比、「西遊妖猿伝」のダイナミックさと豪華絢爛な中華装束の緻密さが同居する美麗な絵、その他未発表のモノクロなんでもあり。

この方、独特の線と評されることが多いんですが、個人的には滅茶苦茶上手いと思ってます。
人体のフォルムが割と写実的だし、固くない柔らかい線で描いているのが非常にリアルな感じを醸し出しているのだと思います、特に女性の乳房とか…!

それにしても本当に美麗。水彩とアクリルで描いておられるのですが、あの空のピンク・紫・赤・黄色・紺色が混ざった不思議なグラデーションや陰影のコントラストと同居する細部の模様の緻密さとか物凄く憧れます。

なぜか画集の本編でなくカバー部分に諸星大二郎先生×高橋葉介先生の対談が収録されているのですが、高橋葉介先生も好きな漫画家なので興味深い対談でした。姉が高橋葉介好きなんですよね。諸星大二郎好きなら高確率で高橋葉介好き、そして伊藤潤二好きであろう。

対談で高橋先生が「ヘンリー・ダーガー」や「ローラン・トポール」に作風が似てる、とおっしゃってたんですが私も同じように感じていました。2011/4-5のヘンリー・ダーガー展、私も行ったんですよね。
確かにあどけない少女を描くあの独特の線や角・鳥の翼や蝶の翅が生えている異形っぷりなど似てると思います。
ローラン・トポールは、諸星大二郎の漫画を集め始めるちょっと前に近所のレンタルビデオショップで「ファンタスティック・プラネット」を借りて面白い、と思ったんですがこちらも絵がそっくりですね。赤い目に魚人みたいな容姿の巨人ドラーグ族にまるで虫ケラのように蹂躙される人間そっくりなオム族の話。あのシュールでサイケな、ヒエロニムス・ボスの「快楽の園」のような奇妙な植物や生物、まるで虫のように見えてしまう人間。最近BDが出たのですが予告が「進撃する巨人!」だったのには笑ってしまいました。
諸星漫画にも「喫茶店トポール」も出てきましたね。
高橋先生が絵について、〈上手い絵〉〈気になる絵〉〈誰からも愛される絵〉の3つあって、諸星先生のは〈気になる〉絵であると表現。これも同意!有機的で引きずり込まれて呑まれるような感覚に襲われる絵です。

もし暗黒神話の時代にパソコンがあったら~という話もなさってたんですが、個人的に諸星先生のココが凄い!と思ってるのは、暗黒神話のJC版1巻の表紙が遺跡の壁に竹内老人や菊池彦、弟橘姫、隼人らキャラクターの姿がぼんやりと浮かんでいるような所。あれと同じような感じの絵もたくさん描かれているのですよね、生物都市のように生物と無機物が混ざるという衝撃的な絵も描いているんですけど直接的な融合だけでなく、人が回想する~シーンでも、漫画的表現として人と背景や景色、モノがダブって見える絵をよく描く。それが特によく出ているのが「商社の赤い花」ですね。
これはもう、「どうやったら混ぜるという発想が出てくるんだ!」「どうやってそれを視覚化できるんだ!」「そしてどうやったら実際にそれを絵にしてしまえるんだ!」ってなるレベルです、しかも今だったらフォトショとか色々できますけど、パソコンもなく加工や表現の幅も少なかった時代に、手で描いている。これはもう本当に凄い。

カバー下はまさにファンタスティック・プラネットのような絵。後に生物都市とアダムの肋骨、ど次元物語、貞操号の遭難といった様々な作品の元になったかのようなモチーフも多いです。

お気に入りの絵。
アダムの肋骨
天孫降臨
陋巷に在り2
バイオの黙示録
西遊妖猿伝



・2012/11/18:画集「不熟」発売を記念して池袋の西武池袋本店別館にて サイン会

ちなみにこの画集、2012/11のサイン会でサインをいただいております、宝物。
諸星先生ともお会いして握手していただけました!
そして恥ずかしながらファンレターもどきを作って渡してしまったのですが(もっと良いお土産を持ってくれば戸よかったかなとも思いつつ…)、なんと後日暑中見舞いをいただいてしまいました。感激!

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【諸星】2012-2013の諸星大二郎関係のあれこれ 

現在諸星大二郎原画展が開催中です。

というわけで、この1年位の諸星大二郎関係あれこれ。

・2012/10/26:諸星大二郎画集発売

・2012/11/18:画集「不熟」発売を記念して池袋の西武池袋本店別館にて サイン会

・2013/5/14-18:銀座スパンアートギャラリーにて 画集『不熟』発売記念 諸星大二郎 原画展

・2013/7~9:京都国際漫画ミュージアムにて 諸星大二郎原画展:不熟1970-2012

・2013/10/30:諸星大二郎特選集 「男たちの風景」発売

・2013/11/15-20:諸星大二郎 原画展


原画展が多くて充実してます、大体買ったり原画展に行ったりしてます。
詳細は順次個別記事を作成。

銀の匙8巻発売日 

銀の匙s

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もうすぐ銀の匙のアニメ化、そして7/11に8巻発売。
ホルスタイン部タオル付きの方を買いました。

この巻は農業の現実を、次から次へと土嚢を落としてくるかのような重さ。
しかし、八軒がアキに「巻き添え上等」「踏まれてやるよ」と彼女の腕を掴んでくれたりと、八軒の漢気に痺れる巻でもあります。

7巻最後でエゾノーから姿を消した駒場、その理由は駒場牧場が借金を抱え離農することになったからと明かされました。
離農ということは、先祖や今は亡き父が続けてきたものを手放し、年を取るまで大事に扱ってきた牛を手放し、そしてエゾノーで農業を学ぶ必要性もなくなり、中退して働くとなれば野球もできなくなる…と。

これはあまりにも重すぎる。
しかも、アキん家が連帯保証人となっているため、アキの家をこれ以上巻き込むわけにはいかないそうで。
借金を抱えているのは駒場牧場だけでなく農家出身のクラスメイトも少なからず借金を抱えていて、アキの家も…。

アキの家で経営相談をして、元々さほど収益の見込めない馬は売るとじいちゃんが発言…。
これで、御影牧場を継ぐ必要性も完全になくなり、やっとアキちゃんが自分の口から本当の夢を家族の前で打ち明けられました。長かったぜ!
八軒が同伴している件についても、親父殿が「言いたい事あるのに人に言わせてるのはずるいんでねぇのか?自分の言葉で言え。」とちゃんと言ってくれてるのにガッツポーズ。
そしてきびしーく現実的なことを突っ込まれた末にできた目標、それは大学への進学。
アキちゃんの頭の悪さが想像以上だったぜ…

重い話の中にも、チーズ製造についても解説されたりとへぇ~となります。
前巻、突風で痛恨のキャッチミスをした雨竜先輩が鬼気迫る勢いで練習に励む描写も良いです。
おまけ漫画の富士先生の私生活がいいとこのお嬢様というのが衝撃的すぎるわ!!

2013/7/4はアニメ鋼FAが完結した日 

鋼アニメ完結s

こちらも遅れてしまったけど支部でうpした絵。
いやー鋼の錬金術師FULLMETAL ALHCEMISTは楽しかった。
当初は比較されたりフルボッコにされたりもしたけれど1クール後半、ブラッドレイが暴れるあたりから大分良くなってマスタングvsラスト戦で大盛り上がりになりましたね。
作画班が熱かった。
63話「扉の向こう側」は、原作でまさにクライマックスというべき重要な回だったのですが申し訳ない、アニメは爆笑してしまったよ。
DVDでは黒い霧状に修正されたけどグミみたいなナングリードや音速丸マリモお父様とかシュールすぎるんだっつーの!(爆)
しかしホーエンハイムの人生の終幕と特別仕様ED映像には不覚にも涙が。

なお、63話「扉の向こう側」が6/27、62話「凄絶なる反撃」が6/20だったわけですが。
63話がもし6/20放映だったならその日が「父の日」だったのでピッタリになっていた筈だったんですが、
実際は62話だったので 「父の日にお父様をフルボッコ」 という事態に。
お盆に墓荒らしといい間が悪いよ鋼FA。
これらも今となっては懐かしい。

【鋼錬】鋼の錬金術師完結3周年 

◆鋼の錬金術師3周年記念縮小

2010/6/11は、鋼の錬金術師最終話である第108話「旅路の果て」がガンガン7月号に掲載された日です。

そして2012/6/11に3周年を迎えたと。
というわけで、久々のblog更新です。



この絵は【鋼錬】集合絵の線画全体 の線画にペイントとファイアアルパカで着色したものです。
日付見たら2年前やがな…(震え声)
当時は「最悪年明け」と書いていたのですがあの後フォトショの動作不良に加えPCのHDがイカれてフォトショも今まで描いた絵も集めた画像も消滅、という事態になったのでした。
それなりに支部に置いていたのでまあ仕方ないのですが、原寸大の画像は全部消えたのでした。
これが結構尾を引いたのと忙しかったのとで二次創作自体からちょっと離れてblog記事の更新に移行したのでした。
blog更新の方もすっかりご無沙汰になってもーたが。

けれど最近、「有料のお絵描きツールとか使わなくてもペイントで色塗ってファイアアルパカで合成すればなんとかなるんじゃね?」と気付いて使ってみたらこれが肌に合っていて、今や完全にペイントがメインソフトに。
フォトショで色を塗ると、ちょっとにじむ感じになってしまっていたのでその点ペイントは機能がシンプルな分使いやすい。フォトショなんて無用の長物はワイには必要なかったんや!
影付けがマウスなのでけっこう大変。

3年前の当時、ネタバレを避けてドキドキしながら読んでたなー。
アニメと同時完結といった兼ね合いもあってもう少しじっくり描いてほしかったな(脇役含め今まで出てきたオールキャラ登場とか見たかった、お父様の描写に若干不満がある、これはアニメがうまい演出になったが)、とは思う部分もありますがあの最終回は良かった。
アルの「勝てよ 兄さん」からの肉体と魂の再会に続いて、エドが完全に自分たちだけを使って「元の体を取り戻す」というけじめを付けたのがね。
賢者の石は、化石と燃料の比喩が示す通り、使わなくたってその魂は救えるものじゃないし、使っても別にかまわない。
それを使いたくない、というのはエルリック兄弟だけの心理的な理由であり意地。
それでも、あえて賢者の石を使わず自分達が持つ物の中で対価を支払い真理くんの残酷な等価交換の抜け道を突くことができた、というのがいいと思うのね。
エド単体では帰れないだろうけどアルの真理空間と混線しているという設定を使って戻れたといのも。

個人的に気になることといえば真理=プリマ・マテリアの世界=魂が発生し還る場所であるとすれば、自分の真理
の扉を消しちゃその流れからはじき出されちゃうことになるんじゃね?と思ってたっけ。ガイドブックの描写を見る限り「死んだら魂は消滅する」という設定で、真理≠魂の発生と帰還の場所 のようですね。

エルリック兄弟の今後の方針は「ニーナみたく錬金術で苦しむ人間を助けたい」というものですがこれまた難しそうな。ザンパノジェルソら軍の実験被害者やイズミのように真理の扉を開いてもってかれた人間の体を取り戻す方法とか探そうとかいうのか。イズミに関しては罪の証だから~と拒否しそうな気もしたけれど、たとえば戦争に参加して人を殺めた経験があるとか罪の意識がある人間が幸せになりたいと思っちゃいけない、そのままでいるべき、かというとそういうわけでもなくて。ただエルリック兄弟は特例中の特例だから、なんとかできるビジョンがあんま見えないかも…エドなんか特に、錬金術が使えなくなったくせに錬金術の研究を続けようとしてるわけだし。
どの分野にも言えますが、科学なんかは理論と実践の組み合わせが重要でしょう。
机上で理論や仮説を組み立てても実験したり実際に実物に触れてみたら、それが違っていることも証明されてしまう。
エルリック兄弟は人体錬成の失敗でそれを痛感したわけで。
それなのに今度はエドが、自分の手で確かめることができないという致命的な欠陥を抱えたまま錬金術を手放さない、これは科学者として少々危うい。
この点に関しては、理論や仮説のエド、実践や実験のアル、と二人兄弟の身を活かしてうまく補い合ってなんとかなりそうですが。

錬金術を使えなくなってもなお錬金術の研究を続けるというのは一種未練がましい気もしますが、錬金術といっても実際に勉強して錬成陣を描けて物を変化させることができる、という能力自体は必要不可欠というわけでもない。

一番大事なのはその精神であり、「一は全、全は一」の理を失敗以降人々との接触で体感したエドにとっては直接使えなくてもそれが身についている。この点からして、錬金術は否定するべき存在というわけではない。

ましてやウィンリィみたいな一般人だからこそ、等価交換の法則に縛られない無償の愛、ギブアンドテイクの精神が持てるとも証明されてますしね。(それに関してはエドはまだ頭カチカチだからこれから頑張りましょう、ということになるかもしれん)


次はアニメ放映終了/ミロス公開、屍鬼線画色塗り、青祓集合絵、諸星大二郎全作品キャラ総出演絵、遊戯王連載完結10周年絵…とまだまだ描きたいものはいっぱいある!

【青祓】青の祓魔師9巻感想 


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(2012/09/04)
加藤 和恵

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今度こそ出雲・・・と思いきや、シュラでした。
ここ最近グラマラスになりつつあった彼女でしたが、今回の表紙は戻っちまいました。
カバー下・・・26歳が女子高生コスプレ・・・が、学割。その手があったか。

本編は京都編完結回&大王烏賊討伐回を収録。
不浄王討伐。これ自体は殆ど燐のワンマンだったのであっさり終わった印象。雪男は藤堂先生にストーキングされていたので、燐と合流して吹っ切れて皆で一緒に倒すという展開もなし。
雪男と藤堂の因縁絡みではちょっと持て余したような消化不良の感はあった。でもサタンの息子バレ以来京都編の半分近く続いてきた塾生との溝を埋めて「みんなが信じてくれるから」とサタンの炎をコントロールして大敵不浄王を倒す、という主人公の成長イベントになりました。みようによっては、雪男の覚醒フラグや勝呂と伽樓羅の契約・京都支部の動向といった今後に持ち越されそうな不穏なフラグを残したまま無理矢理さわやかにしようとしているともみえるけれど、割とすっきりとした終わり方ともいえると思います。
それにしちゃ、3本のロウソクのうち左右二本にだけ火をつけるどころか広範囲に渡って人についた不浄王の菌糸だけを焼き払うという超絶進化っぷりですが。間がないぞ間が。
京都編終劇では柔造と蝮が夫婦になるという予想より早いびっくりの展開が!
凄まじいデレっぷり。メスの顔だ・・・!蝮たんは非処女!

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大王烏賊討伐は扉絵を下敷きにして、京都編でサタンの力を受け入れることを決意した燐が、未だ兄の炎を認めることができない弟・雪男に対し、「話」をしてちょっと溝が埋まる話。最終的に雪男は「仮に自分が燐を檻に閉じ込めようと燐は自分で檻をこじ開けて助けにくるんだろう」と感じるのですが、その燐も他人の助けがなければ檻から出られないし、弟である雪男もまたしえみ達のように燐を精神的に支えることだってできるという点に気づいたかどうかはさだかではありません。互いに精神的なレベルで支え合うまではまだまだ・・・まさに牛歩の歩み・・・めんどくさいよこの兄弟。結局雪男のサタンの血の覚醒フラグは話さないままになってもうた。本当は不安だけどありのままの自分を認めない限り前へ進めない・たった二人の兄弟だから助け合う、という燐の腹を割った主張を雪男がきき受け止めることができたのは一応前進かも。二人だけではギャーギャー平行線な言い争いになって話が全く進まないめんどくせえ兄弟・奥村兄弟の間を取り持ちして、「話」ができる状態にさせてくれたしえみちゃんは立派にヒロインしてると思います。

齢1500年近いマッコウクジラ型の海神・海人津見彦様など、西洋の悪魔にとどまらない日本の土着の神様も魅力的です。それだけに割とあっさり瞬殺されたのは結構ショックだったぞ・・・ご老体がたたったんだね。

大王烏賊戦は、雪男の狙撃で本体の位置を割り出す→しえみが海坊主に頼んで足場を作らせる→その足場を使って燐がトドメの一撃 とチームワークらしきものを使っていたりと進歩を感じます。周囲の人間はこれまで描かれてきたように燐に一人走りをさせまいとするよりも、燐を主軸に据えたチームワーク戦をもっと提供していった方が悪魔退治としては効果的だと思います。


大王烏賊討伐といえば最大のハイライト(私見)なのが女子の水着。
しえみやシュラといった巨乳女子もいいですが、それ以上に出雲がたまらん。
まろまゆのこの素晴らしき貧乳+ビキニ!!
蔑むような目つきや毒舌も良い。

maromayu.png

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おまけコーナーは久々に悪魔図鑑更新!一気に10体も。
やっぱり質問・イラストコーナーよりいつもの悪魔図鑑の方が楽しい気がします。
幽霊列車、氣の王アザゼルの眷属かと思いきや新規に名前が出てきた「時の王サマエル」の眷属。メフィストあたりが時の王ではないか、と思ってたから驚きでした。このサマエル、死の天使やエデンの蛇、魔王など大物っぽいけどあまり時の悪魔って感じじゃないですね。ならメフィストは何を司ってるのか。幽霊列車、獲物を餓死させたあげく霊体を喰うとかたちわるいな!ウッチャンはよく伽樓羅と間違えられることからやや人間嫌いだそうですがそれにしては中々親切です。両者の仲はどうなのだろう。そういえば日本の仏教・神道系の悪魔は八侯王の眷属とは全く書かれていませんが、独自のヒエラルキーがあるのかもしれません。火の系列では不動明王が最高位っぽい。
水精のビーチクがエロすぎる。雪男も水精と契約する時や召喚する度に、エロいお姉さん方に囲まれちょっかいを出されて頭を抱えてそうだ。

京都編のおまけということで金造のバンドの番外編も収録できれば区切りは良かったけどやっぱページ的に次の巻に持ち越しになったようで。三味線バンドなのにデスメタル系だったのは笑った。

取り急ぎこれにて。拍手レスなどは後日書かせていただきます。
追記にて拍手レス。

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第33話「砕破」不浄王討伐完了
第34話「事の結び」不浄王討伐後の後日談
第35話「海は広いな大きいし」 大王烏賊退治で燐の行動でトリオ混乱
第36話「青い波ゆれてどこまで」海神様を接待しつつ燐と雪男で「話」をする
第37話「月は沈むし日も昇る」燐の行動と言葉で海と雪男の心に凪が訪れる

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【雑記】久々に更新 

私事で忙しかったのと、またblogができるような環境でなくなったことによって2ヶ月程放置してしまいました。

最近熊倉隆敏の「ネクログ」や「もっけ」にハマり、ネウロの松井優征の新連載「暗殺教室」の情報に喜び、「寄生獣」を読み返したい願望が高まり一気読みしたりしています。「暗殺教室」は謎生物の先生に生徒が団結して立ち向かうSFサスペンスものかと思いきや、先生と生徒のほのぼの学園モノでした。3年E組殺せんせー。GTK(グレートティーチャーコロセンセー)。とにかく殺せんせーが普通にいい先生。こんな先生の授業なら受けてみたい。そして殺せんせーが萌えキャラすぎる。マッハ禁止で一本一本心をこめてチューリップを植えることを命じられたり、意外と器が小さかったりするところも最高です。ネウロと比べると犯人の顔芸や時事パロディといった毒が足りないのがちょっとさみしいけれど今ジャンプで一番面白い漫画。というか今のジャンプやべえ。東京喰種も月山の突き抜けた変態っぷりに笑い、銀の匙では馬術部大会の描写に盛り上がっています。

更新頻度は以前と比べると下がりそうですが、まずは溜まっている分から取り掛かりたいと思います。

そういうわけでアクセス回数も平常時の200~300くらいで安定しているわけですが、7/21だけ平常時の10倍というアクセス数になっていて度肝を抜かれました。
なんぞ、と思っていたら「哲学ニュースnwk」というまとめblogに紹介されていたようです。よく見るまとめblogなので恐縮。管理人様が、封神演義の人肉ハンバーグの参考URLとしてちょろっと紹介してくださったようです。改めて哲学ニュースの影響力の大きさを知った次第。
2件コメントで紹介ありがとうございます。後ほど探してみます。

哲学ニュースnwk【閲覧注意】トラウマになったアニメ、漫画、写真『映画グロテスク・関よしみの愛の食卓』2012年07月20日23:55

ついでに特集の「食人描写がある漫画特集」にも、「愛の食卓」「自殺島」「ネクログ」「椿鬼」「安達が原」を追加。

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