スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

【諸星】文藝別冊総特集 諸星大二郎-異界と俗世の狭間から-感想 

諸星大二郎 異界と俗世の狭間から(文藝別冊)諸星大二郎 異界と俗世の狭間から(文藝別冊)
(2011/11/17)
不明

商品詳細を見る


本日、「文藝別冊総特集 諸星大二郎-異界と俗世の狭間から-」を購入しました。
ここ数週間楽しみにしていた本です!!
簡易感想。

豪華すぎる。

「総特集」なためか、一冊まるまる諸星本で興奮やまぬものでした。

8ページほどカラー絵が載ってます。

文藝別冊カラー

つい今年の「電撃コミックジャパン2011年8月号」の表紙に描いた縄文人少女の絵(ほぼ初めての雑誌表紙絵だったとか。コミックナタリーで見た)も載ってます。
個人的には荒川の土手の原風景の絵もカラーで見てみたかったかも。

◆インタビュー
今回インタビューを読んでもやはり何系でもない漫画家、の一言につきる。
手塚治虫の作品は読んでいる。でもそこまで漫画を読んでいるわけでなく、それ以外の漫画家の影響というのはあまりない。そもそも絵も話も全然手塚治虫の完全なフォロワーじゃない。
しかもSFはそんなに読んでないと。当時のジャンプ編集部、コメント勝手に書いたり売り文句にSFであることを強調したりとひどいな苦笑

いいと思っている絵柄に挙げていた坂田靖子、wikiで見た出身地と現住所が私にとって馴染みが深いもので思わず凝視してしまいました。赤い唇は、もっとベタなホラー的表現にしようと言われたのを唇が取れるシーンだけで怖く見せる自分の案を通したのか。
まさに我が道を行く漫画家。マッドメンも少年少女向けに噛み砕いていたとのことですが嘘だ・・・笑

ちょっと人とはズレているというか、無意識で描いているという印象が強いです。影響に関してもそこまで意識していないと。でも構図やコマ割が映画的、というのは私も思っていました。漫画では珍しいアングルの構図が多い。

◆特別寄稿
表紙に載ってるラインナップからしても「同ジャンルの漫画家とファンが集まったなぁ」と思っていたのですが、高橋葉介や藤田和日郎のもありました。
これがまた凄い。
皆示し合わせたように、かなりマニアックな作品も含む小ネタを大量に挟んできていて諸星マニアぶりを見せてる。
吾妻ひでおのなんかは、諸星大二郎の漫画を全巻揃えてる前提の絵でした。
「ティラノサウルス号の帰還」はつい最近読んだばっかりです。

「感情のある風景」人気。まだ読んでいない作品なのに…(今週中には1993年版「夢みる機械」も手元に届きますが)

星野之宣の寄稿は前回の寄稿の続編っぽい内容…w 星スターズ 星を継ぐもん!とか、最近出た「星を継ぐもの」のセルフパロディまで。AKBMネタも。
「丸ペンを使い始めてから繊細で白い暗黒まで描けるようになったか!ああまた説明してしまった」とか、前回の「説明を拒む闇」「説明してしまった」を思い出してニヤリとしてしまいます。

江口寿史の漫画を見ると25歳の時も今と大して変わってないように見えます心臓にナイフが刺さったtシャツ、作中でもキャラに着せてたような。

多くの人間から「真似できない」と言わせしめる諸星絵ですが、伊藤潤二はかなり再現しとります。あまりにも近すぎてガン見してしまうレベル。(アップや昇天シーンは伊藤絵ですが)

伊藤高橋寄稿

しかし、その隣のページには高橋葉介の「諸星大二郎の絵だけは、真似てみようとも思わない。こんな絵描けるわけない」と言って暗黒神話や妖怪ハンターを自分の絵で描いた高橋葉介の絵…
せめて順序を入れ替えるとかそういう工夫を(苦笑)
それはおいといて、高橋葉介も伊藤潤二も好きな漫画家です。
姉がかなりの数持ってて。
不動の北極星!まさにそうですね。


◆恐るべき丘
細野春臣リスペクトインタビューリアル無面目に遭遇したという話があるが、グレーのスーツにのっぺらぼうの男て、コンビニ本のサイコ画像集とかにも載ってたのっぺらぼう男…やはり目撃談が多いのだろうか。
恐るべき丘

1972年執筆の「恐るべき丘」。手持ちの「失楽園」に収録されてる、失楽園の地獄篇とほぼ同じ構図のコマ割もいくつかある話ですが、絵はもっと古い絵。
思うんですが最初期と最近の、筆でベタを塗るのではなく線を重ねてベタ部分としているかのような絵ってのも凄い書きこみだと思います。
退化してるが未来だろうか?すごく荒涼としてる。風がごうごうと吹き荒れてる。丘の上には罪のしるしとして恐ろしい幻があり、それを見た者は皆発狂死したという。

恐るべき丘②

この直後タネ明かしは、幻=磔刑されたイエス・キリストその人であり、丘=ゴルゴダの丘なわけですが、ヘブライ語の石碑に手から血・・・と伏線がいくつか張られてるのがにくい。
作中で提示された伏線やヒントがラストシーンでつながり壮大な事実を目の当たりにする―というのが諸星漫画の面白い所だと思います。
原罪を忘れた代償として、未来人にも永劫にその罪の証を刻みつけていく…選ばれた人間に与えられる幻視ではなく、絶えず人を苛み、見たものを発狂しさせるものである、というのが恐ろしい。


◆諸星大二郎の仕事場

諸星本棚

普通の本屋で売っているようなものばかりとは言うものの、写真はマニアックな本棚だ・・・
猫のハーちゃんのくだりは「彷書月刊」のデジャブが。「ハーちゃんそこにいたの。」「ああ、ハーちゃん、ここに隠れていたんだ。」・・・殆ど一緒やんけ笑

資料用の本がずらっと並ぶ中、木城ゆきとの「銃夢」があったのにはびっくり。

2006年の呉智英との公開対談も収録。カーゴカルト、授業で出てきてニヤニヤが止まらなかった記憶。


◆アイデアノートとシナリオ
シナリオ、すごいみっちりしてます。諸星大二郎はバリバリストーリーに重点を置く漫画家なのですが、これは凄い。台詞もこの時点で出来上がってるんですね。しかも消しゴムで消した跡も少ない…と。
個人的には、ネタ集め過程の資料も見てみたいです。


◆キャラクター事典・作品解説・リスト

キャラクター事典もついているのですが、コドワを「今で言う"妹萌え"属性の持ち主」、ハリ・ハラを「今連載されていたら腐女子が見逃さないんじゃないか」、ピロン人を「地震や津波、原発事故があったら間違いなく全滅」とか書いてて噴いた。

キャラ図鑑

ユリイカの作品解題は主要作品順で単行本ごとに、12ページ、彷書月刊の作品リストは解題なしで作品名と掲載誌・掲載号を年代順に3ページでしたが、文藝別冊は執筆の年代順に50タイトル平等に解説。
しかも画像つき。作品を思い出したり絵柄の変遷を辿るのにいい仕上がりです。
最近の方の作品で、まだ単行本化されていない「幽」の怪奇シリーズや妖怪ハンター「美加と境界の神」や「悪魚の海」の画像も掲載。
単行本化してほしいです。
これとは別に掲載誌・掲載号つきの290作品リストもついてて見やすい。


という訳で、諸星ファンにとって非常においしい1冊なのでした。
関連記事
スポンサーサイト

コメント:

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック:

この記事のトラックバック URL
http://niccisacci.blog.fc2.com/tb.php/155-58fcefab

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。