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【諸星】海洋堂制作の諸星大二郎ガチャ・立体異形図譜が届いた 

カプセルQキャラクターズ 諸星大二郎 立体異形図譜 海洋堂

巷で話題沸騰中の諸星大二郎ガチャがついに発売されたので、全7種類を購入。 
良い出来で、眺めてニヤニヤしています。

立体異形図譜

タケミナカタ
タケミナカタ(暗黒神話)
諏訪の洞穴にいた腕のない蛇のような異形の存在。
タケミカズチに腕を千切られ出雲から諏訪に逃げたタケミナカタの神と。
作中冒頭、灯りに照らし出される異形の姿はインパクト絶大で早速引き込んでくる。
見本より色が暗いのでおどろおどろしさ倍増。細部の表現も絶妙。

アエン

アエン(マッドメン)
オンゴロの岩に隠されていた悪霊の仮面で、作中コドワとも戦いを繰り広げた。
初登場は後ろを歩いていたのんきな現地ポーターのクマさんをマミるというもの。そのクマさんもオプションでフィギュア化。
きっと黒板を爪でひっかくような声なのでしょう。

ヒルコ

ヒルコ(妖怪ハンター 黒い探究者)
作中でも人気上位、もしかしたら今回のガチャで一番人気かもしれない、ヒルコ。
かなり金属っぽい質感で、「火の鳥」復活編のレオナから見た人間のようだ。

稗田先生

稗田礼二郎(妖怪ハンターシリーズ)
稗田先生のお顔は「妖怪ハンター 地の巻」の表紙準拠でしょうか。顔の塗装もいい。
台座がタケミナカタと似た文様に。

ハルピュイア(私家版鳥類図譜)
直接の登場というより、給水塔で見かけた鳥をめぐるジュブナイルもの。
ハルピュイアは翼のディティールが素晴らしい分顔が(小声)眼が三白眼で顔が怖いんですわ…
「アダムの肋骨」のハーピーも滅茶苦茶好きなので欲しい。

無支奇(西遊妖猿伝)
民衆の恨み怒りが高まる戦乱の頃に姿を現す邪神。
五行山の岩を彫った斉天大聖岩に準拠したのかな。

もし第二弾が出るのなら、
・ハーピー(アダムの肋骨)
・カオカオ様(遠い国から)
・オオナムチ(暗黒神話)
・あんとくさま(妖怪ハンター 海竜祭の夜)
・ムルムル(栞と紙魚子シリーズ)
・あらゆるものと融合しちゃったヒロのパパ(生物都市)
・コドワか悟空の胸像
・ナオミ(バイオの黙示録)

とかいろいろあったらいいなぁとか妄想。

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【漫画】稗田の生徒たち(1)夢見村にて+妖怪ハンター復刻版つきウルジャン+を購入 



妖怪ハンターの新作出た!悪魚の海、三年の年を経て単行本収録。美加と境界の神はまた今度かな。

天木薫&美加の「夢見村にて」、大島&渚の「悪魚の海」の二本立て。

夢見村、夢の売り買いや時に夢を盗んだり殺してまで奪う風習のある村を舞台に謎解き、というのが、斧を持った夢盗り男という異形の存在に追われながらというのが、スリリングでいいです。

シズエ奥さんエロいですね、しかし薫の見た夢のおっぱいがついた稗田先生が衝撃すぎてな…w COMIC ZINの店舗特典ペーパーも貰ってきました。

悪魚の海、男に乳が付いたような海女さんが。悪魚が一見人間に害をなす邪悪な存在なように見えて実は人間がホンアマを虐げていて異界の存在である悪魚は人間が勝手に都合が悪い存在とみなしていただけ、というのがいいです。

妖怪ハンター復刻版、元々持ってる文庫版の地の巻は加筆で迫力増し、天水と揃えればかぶりなしで妖怪ハンターのかなりの話が読めるんですね。でもやっぱ1978年のもほしいなぁと思ってたところに丸々一冊復刻してウルジャンの付録化。かの「生命の木」、「生物都市」というド名作が収録されている単行本を復刻とか、ウルジャンのはからいがいい。

生命の木、諸星大二郎の漫画に本格的にハマることになったきっかけ。東北地方の隠れキリシタンの改変された奇妙なキリスト教を下敷きに、知恵の木の実を食べた「あだん」の末裔とは異なる、「生命の木」の実を食べた「じゅすへる」の末裔と彼らのキリストの奇蹟を描くという壮大な短編。よく読めば冒頭の「世界開始の科の御伝え」がほぼ全てを表してるんですけど文字だけなので実感がわかず、実際に起こり稗田先生らが目にする謎解きと奇蹟の顕現というドラマという形で強烈に刻み付けてくる、これには魂奪われる。新世紀エヴァンゲリオンにも影響を与えたと見て間違いなし。

文庫版と比べるとヒルコの入り口封印、いんへるののシーンが大ゴマに修正される前だったり、「黒い探究者」ラストで「人は 妖怪ハンター と よぶ…」が残ってたりとちょいちょい違いますね。「妖怪ハンター」というタイトルは担当編集者による所が大きくて本意でなかったものな。

本当に充実してます。


【諸星】失楽園のララとリーチャの絵+荒川弘先生、第三子出産 

失楽園のララとリーチャ

去年11月にブクロの諸星大二郎原画展で「失楽園」の生原稿を見て以来、それまで以上にララとリーチャが(というより特にララが)頭から離れなくなってしまい、もうずっと描きたい欲があったので描いてしまいました。前から単行本を持ってて美しい娘だと思ってたんですけどやっぱり生原稿のララの色っぽさ、凄まじかった…

昔から既にその傾向があったんですがこういう系統の女の子が大好きなんですよ。近々色も塗ってみよう。
諸星大二郎原画展、3月に福岡でも開催されるとのことですがあの原画展の充実度は非常に高いので是非多くの人に足を運んでいただきたいと思う。

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シネマトゥデイ:「ハガレン」漫画家・荒川弘、第3子を出産していた!7か月ぶり近況報告で明かす

まじすか!2010年のユリイカの藤田和日郎特集で藤田先生との対談で牛先生が、第1子を出産していたことを明かしたり、2011年には第2子を出産していたことの報告、そして今回は第3子か。

ぶっ切り産休としても割と休載が多かったからお子さんが育ちざかりの時期だったり連載複数かけもちとかだったりだからかなぁと思ってたんですがなるほど。特に最近は休載が多めだったような。
鉄人!めでたい話です。

とりあえず百姓貴族が3巻が2/25発売ってんですげー楽しみにしてます。

百姓貴族 (3) (ウィングス・コミックス)百姓貴族 (3) (ウィングス・コミックス)
(2014/02/25)
荒川 弘

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【諸星】諸星大二郎原画展 

諸星大二郎原画展

・2013/11/15-20:諸星大二郎 原画展

諸星大二郎原画展

ついに開幕!そして今日が最終日。諸星大二郎原画展には2回、計4時間堪能してきました。

とにかく凄い。感動すらしました。
見どころは沢山あるんですが、個人的には(自分ひとりだけではなく多くの人もそうだろうが)コレ。

DSC_3016.jpg


大き目サイズの生原稿での「失楽園」のララの色気が半端じゃない。

あと白黒原稿の修正が少ない!線が緻密!グラデーションが綺麗!塗りにも工夫がこらされてる!

銀座のスパンアートギャラリーや京都国際漫画ミュージアムでも20点規模の原画展をやっていましたが、今回は200点を超える規模、白黒の生原稿も展示されるという充実っぷり。

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・モロ☆先生自身作成の会場レイアウト図
・サイン色紙
・白黒原稿
・カラーイラスト
・切り絵、消し判、内輪、陋巷に在りのイラスト
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白黒原稿は「生物都市」「貞操号の遭難」「失楽園」「アダムの肋骨」「暗黒神話」「孔子暗黒伝」「漁師とおかみさん」「妖怪ハンター」「西遊妖猿伝」。

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「生物都市」………扉、船長が語るイオの住民との接触 (計6枚)
「貞操号の遭難」…扉、リサと夜咲サボテン、大コマ、マリの「北の谷の洞穴…」(計6枚)
「失楽園」………地獄篇・天堂篇の扉、冒頭のララとダン、老人とダンの旅、レーテの町の門、ダンとリーチャと町の心(計10枚)
「アダムの肋骨」…冒頭、ハーピーに主人公が襲われるシーン~最後(6枚?)
「暗黒神話」…地獄の章、餓鬼を引き連れる武とそれをおう菊池彦一味、見つかる所からスサノオの神像出現、暴悪大笑面の馬頭観音が餓鬼を地獄に落とすシーン、天の章の曼荼羅(6枚)
「孔子暗黒伝」……仏陀入滅、仏陀登場~死亡~カーリー寺院(12枚)
「漁師とおかみさん」…ほぼ全部?
「妖怪ハンター」…ヒトニグサ
「西遊妖猿伝」…第一回、冒頭から悟空が野女が自分の母ではないかと尋ねる所まで。(16枚?)
「うつぼ舟の女」…扉、地蔵いっぱいの絵
「天神さま」
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白黒原稿、とにかく凄かった…。傑作の名シーンが多かった。
生物都市の機械と人が混ざっている絵や幻想的なイオの光景もあったし、失楽園はララの色気がヤバいし(何度でも言うさ)リーチャとの会話シーンの夜景も綺麗だし、アダムの肋骨はタイトルの意味が分かるシーンだし、暗黒神話は地獄のシーンあるし、孔子暗黒伝は仏陀のシーンだし。

これでもし、生原稿のデカいサイズで56億7千万年後の地球の太陽と暗黒星雲を見せつけられてたら卒倒してたよ!w あれはさすがに破壊力がありすぎてね。

しかし修正の跡の少なさには驚かされた。漫画的表現としてトーンの上にホワイトを塗ったりちょっとは修正しても、全体的には少ない。独特の線だし、時には筆で主線を引いてるのに少ないということは頭の中で大体イメージが固まっててそれを表現できちゃうということなのだろうか。凄すぎる。
しかも孔子暗黒伝で仏陀が死ぬシーンがあるんですね。
このシーンがネガの絵なんですが、原稿で最初からネガで描かれてたんですね。ビックリ。
しかもこれも葉っぱの光と影用にホワイトを使ってる以外ほぼ修正なし、
相当のセンスだと思います。
あと失楽園は、老人とダンが旅するシーンの空と雲がいわし雲っぽかったりと印象的だったんですが、原稿ではこのように描かれていたのかー、と。
修正といえば「地獄篇」の扉が最初、「失楽園」の文字にも線を入れていたのを見づらいと判断したのか消した跡がありました。あと菊池彦が仏像に手をかけているのが、元々かけていなかったのを修正して書き直した跡があったり。こういうのも生原稿の魅力ですね。

孔子暗黒伝
暗黒神話


カラーイラストはアダムの肋骨の初期イメージイラスト、失楽園、不安の立像表紙、夢みる機械表紙、サンコミ夢みる機械、地獄の戦士、コンプレックス・シティ、JCとJSA両方で暗黒神話・孔子暗黒伝表紙、海神記、マッドメン、光文社砂の巨人、夢の木の下で表紙、私家版鳥類&魚類図譜表紙、鳥類の口絵・鵬の墜落、方舟が来た日、バイオの黙示録の扉2枚・表紙、闇の鶯表紙、栞と紙魚子(生首事件、夜の魚、百物語、文庫1、2表紙)、Gの日記、スノウホワイト、妖怪ハンター(地/天の巻、天孫降臨黄泉からの声、六福神、魔障ヶ岳、美加と境界の神)、それは時に少女の姿となりて、諸怪志異7枚、西遊妖猿伝13愛、小説絵、屈む怪物、悟空とサル、自選短編集表紙2枚、陋巷に在り6枚、少女としゃれこうべ、縄文少女、リンゴのタルト、竹青、まどろむ家、海の女。

カラーイラストが凄い。孔子暗黒伝の赤気篇、クリアカバーがかけられてたけど保存のためなのかな。カーリー女神神像の赤と紺色のバランスが凄い…!そして暗黒神話の1巻がすげー綺麗でヤバイ。遺跡の壁に竹内老人・弟橘姫・菊池彦・隼人、とメインキャラクターが集合しているのですが、このようなイメージとしての絵を思いつきそしてモノクロでもカラーでも表現しちゃうという。このJC版表紙の3枚、かなり小さかったのには驚きました。
ところでこの3枚、確か画集には収録されていなかった筈。なので原画で見れて満足。

私家版鳥類図譜は、鵬の飛翔や墜落が風を巻き起こし大気を巻き込む様まで描かれているのがいいですね。しかし、この口絵、はるか彼方に薄青くぼんやりと見える鵬の姿でその巨大さを想像させなおかつ更に彼方に見える「塔に飛ぶ鳥」の塔という形を取った世界を描くことで、その鵬の飛翔を許す塔の巨大さを思わせるというのが凄いなぁ。単行本1冊の内容をまるまる凝縮した一枚絵。
同じような点なら、スノウホワイトも内容を知らずに表紙を見て、全部読んでから表紙を見返してみると楽しい絵です。
こっちも収録されてなかった筈。

西遊妖猿伝3
西遊妖猿伝
バイオの黙示録

とにかく線が緻密、特にそれが出ているのが方舟が来た日、ジャンプスーパーエース版暗黒神話&孔子暗黒伝、そして西遊妖猿伝でした。
線も筆で描いてるんですが、原画サイズでもかなり細いんですね、それがかすれたり歪んだりしないでしっかり引かれてる。
その上グラデーションも美しいのです、特に夢の木の下でやバイオの黙示録の赤紫と紺色と黄色とピンクの混ざった空の色が、寂寥感も覚えさせるような色でいいんですよね。

緻密さで最高峰なのは西遊妖猿伝。特に瀑布の絵が、ダイナミックさと緻密さという両立困難なものが同居していいんですよね。飛び散るしぶきの白プーも、絵の順番に注意されてます。
やっぱり地湧夫人の衣装の書き込みが素晴らしい。
海神記の原画はどれもでかい!荒れた灰色の空、荒れた海の表現が凄い。マッドメンは密林の闇の深さと、パプワニューギニアの鮮やかな恰好をしたコドワ・ナミコの対比にはっとさせられますよね。

自選短編集の汝、神になれ鬼になれと彼方よりの絵のサイズが凄くでかい。

切り絵のやついいなぁ。そしてグッズも関連書籍もいっぱい。原画を見たテンションでバカ買いしてしまった。
無支奇や通臂公のトートバッグなんて、街中で持ち歩くのがためらわれるアレだと思いつつ結局両方買っちゃったよ。クリアファイルも好きな絵があっていい。

DSC_3017.jpg

カオカオ様のTシャツもあるよ。

カオカオ様


【諸星】諸星大二郎特選集 「男たちの風景」 

・2013/10/30:諸星大二郎特選集 「男たちの風景」発売

諸星大二郎特選集 男たちの風景 (ビッグコミックススペシャル)諸星大二郎特選集 男たちの風景 (ビッグコミックススペシャル)
(2013/10/30)
諸星 大二郎

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特選集、ということで(少なくとも)三か月連続刊行!
収録内容は以下の通りでした。
彼方へ/アダムの肋骨/男たちの風景/貞操号の遭難/商社の赤い花/感情のある風景/生物都市/食事の時間/失楽園/眠る男の夢を見る男は夢の中で生きているのか?

彼方へは4ページの短編、彼方への憧憬とこれまたグレートマザー的な女性という頻出モチーフ。眠る男~は小説+漫画。この短編集とは結構毛色が違いますね。
全体としては、自分の手持ちの単行本ではジャンプスーパーエースの失楽園と夢みる機械を足したかのような話に。勿論内容がかぶるわけですが好きな漫画家なのでいいや。
タイトルからして「男と女と生殖を描くSF」縛りかな、と思ってましたが+異星or未来地球のディストピアになりましたね。
そういうわけで、当初予想に含めていた「真夜中のプシケー」「肉色の誕生」「地獄の戦士」「袋の中」「ティラノサイルス号の生還」は入らず。プシケーと袋の中と肉色の誕生はSFではないけれど。そして男と女というより、女を描いているというべきかもだけど。

全体として、モロ☆作品の中でも特に面白い初期のSF短編揃いで非常に充実した内容になっている感あり。
表紙の女が中東っぽくてやっぱ美しいね。

一番の名作は戦慄のメジャーデビュー作の「生物都市」。 
扉からして、ヨーロッパの時祷書めいて機械と生物の融合を描きながらも黒々とした宇宙船が帰ってくるという扉絵からしてワクワクさせられるのに、あの話ですよ。一体どうやったら、当時の世界で人間含めあらゆる生物と無機物・機械が融合するという話を思いついちゃうんだ。

そういえば人間とネットワークの接続を描くサイバーパンクというSF形態が登場したのは80年代、一方生物都市は1974年。
でも作中で、生物と機械の融合を果たしたイオの住民から感染を受け帰還した宇宙船を皮切りに広がっていく描写は以下の通り。
金属類は勿論、コンクリートも伝っちゃう。
その上なんと、電話線や電線、水道管、ガス線…といった、人間社会を構成するあらゆる人工物のライフラインが全て伝染経路と化して、伝染してしまう。
当時はインターネットもなければネットワークもないしコンピュータも一般にはそこまで普及していない社会なのでレトロな香りがしますが、それでもあの当時でこの発想は凄い。筒井康隆を驚かせたというエピソードすらもある位だし。
かといって、後年出てくるサイバーパンクともやはり雰囲気というかニュアンスが違うんですよね。
ここではもはや老いによる体の痛みもない、機械や無機物を介して自分の体が無限に拡張され全人類の意識が一つに統合される。

「とんでもない!この新しい世界で科学文明は人類と完全に合体する。人類にはじめて争いも支配も労働もない世界が訪れるのが。」

モロ☆漫画は、バイオの黙示録もそうだけど、対になる存在としてでなく究極のディストピアにして究極のユートピアが両立することが多い気がします。

個人的に好きな短編は「貞操号の遭難」なんですが、種としての限界にきた人類に更なる可能性を求めて異星の高等生物との交配による品種改良を目的とした優性人種開発計画/レディ計画が出てきます。それについてケイが「種族的な純血なんて無意味だわ」と言っていて、案外これがモロ☆作品の傾向を端的に表してるんじゃないかなとか思ってます。

変容もまた生物の営みの一部、人間の理性では倫理的に問題があるとみなしたり生理的に忌避してしまったりしても、「別に混ざって変わってしまってもいいのではないか」というようなスタンスも感じてしまいます。

ちなみにこの「貞操号の遭難」、半植物・半人間の美男子関係のエロティズムもさることながら、リサの台詞がいちいち面白くて好きですなw
「(半植物の男の股間を見て)立派な男よ!地球人の男より立派よ!」
「きれい!夜咲サボテンみたいな修正なのかしら…」
→「(夜になり目を覚まし立ち上がる男とその一物を見て)夜咲きサボテンだわ、確かに…(ゴク・・・)」


それにしても、貞操号の女子たちが来る前にはネズミっぽい生物を媒体と称して獣姦してタネつけだの、そのタネを受精させるのにレズプレイ(または触手プレイ)とか、あんま想像したくないですね。

「感情のある風景」は、感情をその人自身の思考から切り離してその人の傍を浮遊し形を変える幾何学的図形として表現するというのがいいです。
収容所で大きな恐怖と悲しみを味わった主人公は、とある星に逃れる。
その星では感情が体の外にあるという。勿論、異邦人である主人公は異端であり、住民にも受け入れられるようにするため、そして主人公の恐怖と悲しみの感情が大きいためにおっさんによって住民と同じように感情を切り離す感情を切り離すことで心は平穏を手に入れると共に、平坦で無感情となった。そしてそれと共に、母の死の悲しみや小さな喜びといった、主人公にとっては小さく悲しくても手放したくないものも自らから切り離されてしまって…
これが非常に秀逸です。

「商社の赤い花」は異星が舞台であるものの、サラリーマンものとこの短編集の中では割と異色。現在の景色の中に回想やイメージを混ぜる、という表現って中々難しいからあまり使う人がいないイメージなんですけど、モロ☆先生はよく使うというか、特にこの短編では多用している気がします。

「失楽園」は、地球上の文明が衰退し大きな都市が消えてゆき、人々の生活レベルすらも原始的に衰退してしまった世界の物語。主人公はスティージェの沼で生活する人類の末裔の一人。
世界の中心に幸福の沼があり、それを囲むように荒地が、そして塩の沼があるという世界観であり、人々は幸福の沼から追放されたという。幸福の沼から来たという男の話、そして少女ララの死をきっかけに主人公が旅立つのである。
そのレーテの町ですら、楽園でなく楽園のなれの果て・おちぶれてしまった形だけの楽園だという。
ララと面影が似た、町の掟をたびたび破る少女リーチャの台詞が印象深い。


「だれも追放なぞされなかったわ!」

罪?罰?そんなものは人間が勝手に作りあげた言葉だわ!」
「要はただそうなったっていうだけなのに…理由なんてないのよ!それはただ失われてしまったのよ!」
 
「人間は楽園を求めはじめた時からそれを失っていたんだ!
いつでも…どこでも…人間は同じなんだ…それだけなんだ…」


ここにきてタイトルの「失楽園」の意味が見えてくる。
アダムとイヴが食べてはいけない知恵の実を勝手に食べてしまったという罪、
そして文明がさかえた事で戦争を起こし環境を破壊する程に人間が驕ったという罪。

しかしそれを罪と見なすことですら人間の感覚にすぎない。
繁栄あれば衰退は必然。
どうあがいても苦しみ続けることが人間の必然であり、そんな自分たちに言い聞かせるように「罪」という概念があるー。のかもしれない。

モロ☆先生の作品にはこのような、「見放された」孤独な人間、を描くものも結構多い気がする。

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